院長コラム

G山荘の夜話(前編)

2022年12月05日

G山荘は、地元、五月山の瀟洒な住宅地にひっそりと佇んでいます。阪急グループの創始者 小林一三翁(逸翁)の旧宅を改装した和洋折衷の素敵な建物で、中は隠れ家的なフレンチレストランになっています。年末に、地元の旧友達と、ここで会食する機会がありました。医療系以外の人と話をする機会の少ない開業医にとっては、各界で活躍する旧友たちの話は刺激になり、とても貴重な社会の窓なのです。

G山荘の吹き抜けのロビールーム。レジの横には、立派なマントルピースがある。奥の階段を上がると、逸翁の遺品や美術品が見学できる。
 気取らないソムリエのMさんの豊富な話題に耳を傾けながら、フランスで修行されたベテランシェフのつくる山海の珍味に舌鼓をうつ。アニメ美味しんぼを地で行くような至福の瞬間です。先のコラムにも登場したサントリーのT君が洋酒の味わい方について解説してくれます。普段は東京に住んでいるT君ですが、お酒の勢いも手伝って立派な?大阪弁の使い手に変身です。「ウイスキーは、ボトルの中でも醸造されるんやで。なによりこの古いボトルがそれを証明してくれるんや。こうしてグラスに少し注いで、上からスプーン一杯の水を加える。そうすると、古酒の持っている風味が一気に花開くーー。心してのんでや。」山荘のオーナーだったK君の父上が収集された貴重な古酒が、何十年の眠りから覚める瞬間です。
山荘のオーナーのK君のコレクション。お金を出しても 買えないような名酒 古酒が並ぶ。

宴もたけなわに、Mさんが古びた1本のウイスキーを出してきました。サントリーの前身である寿屋(1923年創立)のウイスキーの瓶に刻まれた菊の御紋が、一同の目を引きます。「よくこんなものが開けずにのこっていたなー。サントリー本社にもあらへんよ。」T君が驚愕の声を挙げます。よくみると破れかけたラベルにこのウイスキーの由来を示す英語が書いてあります。

「This whisky was espesially blended by order of His Imperial Highnest Crown Prince Akihito from the aged whiskies in the torii vats on the occasion of the coronation of Her Highness Queen Elizabeth II of Great Britain」

このウイスキーは、英国の女王エリザベス 2 世の戴冠式の際に、鳥居の樽で熟成されたウイスキーの中から、皇太子明仁親王の命により特別にブレンドされたもの。

ソムリエによるとエリザベス2世の戴冠式(1953年)に昭和天皇の名代として出席された明仁親王(上皇陛下)が、渡欧の際に持参され、実際に晩餐会で供されたウイスキーだそうです。鳥居の樽って サントリーの「トリーさん」こと鳥井信治郎氏の事でしょうか。先の大戦で矛を交えた日英の友好再開の証となったこのウイスキー。戦争に敗れた日本のあらたな門出のシンボルなのですが、その話は後編のお楽しみとしましょう。

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