院長コラム
ジュラシックワールド~夢の世界
2025年09月01日
SF作家のマイケル・クライトンが全米ベストセラーの「Jurassic Park」を刊行したのが、1990年のこと。映画化は、1993年、S.スティルバーグ監督によってユニバーサル映画が配信し、こちらも大ヒットしました。当時は、大学のラボにPCRマシン(遺伝子増幅器)が導入されたばかりでした。クライトンの原作を読んで、中世代の琥珀の中に封入された蚊から恐竜のDNAを抽出して増幅させ、カエルのDNAで欠損部を補完し、ワニの未受精卵に注入移植するという斬新なアイデアに感動を覚えたものです。当時は、体外受精がようやく一般化し始め、産婦人科の研究室では、木村正先生(前大阪大学教授、堺市立総合医療センター理事長)が、妊娠末期の人の子宮から抽出したRNAを、アフリカ爪ガエルの卵に戻して、分娩発来の鍵を握るオキシトシンのレセプターをクローニングされた時期です。(のちに子宮収縮を促すオキシトシンは、分娩発莱よりも授乳や子育てに重要な役割を果たす愛のホルモンであることがわかりました。)
ミャンマー北部にて発見された、白亜紀前期(約1億年前)の琥珀に閉じ込められたヒナ鳥の化石。(写真提供:Lida Xing等;2017年6月)
クライトンの原作は、その後 出版された「The Lost World」とともに次々と映画化され、現在公開中の「ジュラシックワールド 復活の大地」で7作目になります。私は、2作目以後は、すべてロードショウで観ました。1作目は、留学中の公開だったので、NYのどこかの劇場でみたのでしょうが、よく思い出せません。(おそらく字幕なしでは、専門のDNA組み換え実験出会ってもその詳細が追えなかったのでしょう。)ただ、ティラノサウルスの足音(地面の水溜りが揺れることで恐怖感を増します。)や長い首と尾でバランスをとるアパトサウルスが草原で草をはむ様子、敏捷に動き回る小型の肉食恐竜レプトルなどは、CG技術のおかげで随分とリアルに感じたものです。
ジュラシックパークのロケ地、クアロアランチ
一度滅んだマンモスなどの巨大動物を、現在のDNA組み換え技術で復活させることは可能なのでしょうか。4000年前に絶滅したマンモスの復元の可能性は十分にあります。欠損部の補完には現在の象のDNAを使えば良いのですから。ただ 残念なことに古い化石に含まれるDNAは、100万年程度で、複製不可能になるとのことです。だから、現在の技術では、ジュラ期に栄え白亜紀の惑星衝突(6600万年前)に絶滅した恐竜を甦らせることは、出来できません。ちょっと夢のない話ですが、地球上に生まれた生物の99%はすでに滅んだというくだりが、最新の映画の中にありました。大きな頭脳に知恵という武器を備え、地上に君臨したホモサピエンスもやがては絶滅する日が来るでしょう。その日が少しでも後になり、恐竜のように2億年の繁栄を得ることを せつに願います。(我々は、たかだか20万年の繁栄を得たに過ぎません。)
化石のなかでDNAが保存される仕組みにはまだ不明な点も多い(CNNニュースより)
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