院長コラム

80年目の夏

2025年08月06日

今日からちょうど80年前の夏の朝。小学校6年生だった母は、郷里の広島県竹原市の里山で、勤労奉仕に出ていました。飛行機の潤滑油に使う松脂を集めていると、朝日と反対の西の空がピカッと光ったそうです。写真のフラッシュでも焚かれたのかと訝っていましが、それは人類史上 初めて一般市民に対して使用された原子爆弾の光でした。(翌日の新聞で広島に新型爆弾が使用されたとの報道に接したそうです。)内科を開業していた祖父は、軍医として中支方面(中国の中南部)に派遣されていました。終戦後、蒋介石軍によって武装解除された祖父は、引き揚げ船で腸チフスに罹患し、命からがら帰国しました。戦後、再開した祖父の医院に、原因不明の体調不良を訴える患者が押しかけました。彼らの多くは被爆者で、爆心地の近くにいて助かった人たちでした。共通するのは、免疫能力が低下して口内炎に罹患し、栄養不良状態にあったこと、頭髪が抜け落ちていたことでした。晩発性の放射線障害とよばれる症状ですが、当時は全く病態が不明で、ただ国際赤十字が運んでくれた点滴で水分を補うしかなかったようです。これは、生前の祖父から聞いた話です。

原爆の怖いのは、通常の数倍から数千倍にあたる放射線を一気に浴びることです。大量の被曝は、中枢神経がやられて即死となるのですが、生き延びても、その後遺症は生涯続き、子孫へも影響が及びます。元々人を殺傷する目的の武器に人道的なものなどないでしょう。でも原爆のように一発で数万人の犠牲者を出すような大量破壊兵器は、絶対に使ってはならないと思います。今日、80回目の原爆記念日も、暑い夏の日を迎えました。

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兵庫県川西市 婦人科 レディースクリニックかとう

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