院長コラム

甲斐荘楠音のこと〜後編

2023年03月23日

昭和の初めに、画壇から追放された楠音ですが、その創作意欲は(細々とではあっても)晩年まで続いてきました。展示会場の最後の部屋を飾る二つの未完の屏風絵、「虹の架け橋」と「畜生塚」がその事を証明してくれます。前者は、画家が晩年まで筆を入れつづけ、生前に行われた回顧展(1971年)には、登場する太夫の顔を、原点にもどるかのように、瓜実顔にかきかえたという逸話が残っています。

「虹の架け橋」は、豪華絢爛な衣装をまとった七人の太夫を描いたもの。桃山小袖の衣装を描いた国宝彦根屏風を彷彿とさせる。

一方、「畜生塚」の方は、デッサンに少し手を加えた感じで明らかに未完とわかります。画家の死後、下宿の物置から見つかった屏風絵ですが、鬼気迫る迫力があります。西洋画を学んだ楠音らしく、長い手足や筋肉の盛り上がりなどミケランジェロやダビンチの影響は明らかです。構図の方も、中央の倒れた女性を支える構図は、西洋画のピエタ(キリストの死骸を抱く聖母マリア)そのものでしょう。右側に一部完成した二人の女性の表情は、この絵の精神性の深さを物語って余ある素晴らしいものです。私も家内もこの絵の前で、数分間動けなくなりました。この絵が 完成していたらおそらく日本のゲルニカと云われるくらいの名作になっていたのではないでしょうか。

「畜生塚」は太閤秀吉が、甥の秀次の側室や女官を処刑し、三条河原に晒したという惨劇を描いたもの。ぜひ一度画集か大きな画面で鑑賞して頂きたい。

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