院長コラム

カリコ先生のノーベル賞

2023年10月25日

今年のノーベル医学生理学賞は、新型コロナウイルスのmRNAワクチンの開発によりカタリン・カリコ博士とドリュー・ワイスマン博士に決まりました。ワクチン開発からこんなにすぐに受賞が決まったのは異例の事ですが、世界中を苦しめたパンデミックに対して、終息の道を付けたのですから、当然と言えば当然です。このワクチンは、タンパク質の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ構造です。このワクチンを接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、この遺伝情報をもとに、細胞内でコロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク質と同じものが産生され、そのタンパク質に対する中和抗体産生や細胞性免疫応答が体内で誘導されることで、新型コロナウイルスによる感染症の予防ができると考えられています。(厚労省のhPより)留学中に, 遺伝子(DNA)のなかに、進化の過程で瘢痕のようにうめこまれたRNAウイルス(レトロトランスポゾンと言います)の転写のメカニズムを研究していた事があります。当時は、遺伝子の化石のようなレトロトランスポゾンを研究している人たちは ほとんどいませんでした。その後、RNAウイルス感染が胎盤や乳腺の進化に関係しており、進化の速度を跳躍的に早めている可能性がある事がわかってきました。

社会主義国だったハンガリーから、亡命するように米国に移住されたカリコ先生は、ウイルスベクター(運び屋)をつかわずmRNAという形で、細胞内に遺伝子を導入する方法を研究されていました。しかし、体内に入ると炎症反応を引き起こしやすいmRNAを運び屋として使う方法は、なかなかうまくいかず、カリコ博士らの研究は鳴かず飛ばずの時代が続きました。ハンガリーから亡命する時に、娘さんが大事に抱えてきたテディベアに隠し持ってきた英ポンドが、生活を支える頼みの綱でした。祖国に戻っても研究を継続する事は困難で、カリコ先生は粘り強く研究を続けられました。幼少期にテディベアを抱えて共に米国へ渡った長女のスーザン・フランシアさんは、長じてボート競技の米国代表としてオリンピック2連覇を果たしました。当時のカリコさんは、研究室で「金メダリストの母親」と呼ばれていたそうです。今は、社会人となって製薬会社に就職したフランシアさんが、「ノーベル賞学者の娘」と呼ばれているそう。何とも 心あたたまるお話ですね。

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