院長コラム

モネ展に寄せて

2024年03月04日

先月、大阪中之島美術館で開催中のモネ展を、家内と尋ねました。中之島地区は、今から40年前に産婦人科医としてのスタートをきった旧阪大病院のあった場所です。周りは随分変ってしまいましたが、一部には古いビルも残っていて、そこを改装したおしゃれなお店や喫茶がたくさんできて、若い人でにぎわっているようです。昨年2月に新しく誕生した美術館は、黒いシンプル・モダンな外観と、1階から5階まで吹き抜けの開放感あふれる屋内空間「パッサージュ」が特徴です。

銀河ステーションのような長いエスカレーターを登ると、お目当てのモネ展の会場です。会場内は、週末の午後で予想以上の混雑。すべての絵の前に人が二重三重に並んでいて通勤電車顔負けです。低倍率の双眼鏡を持っていきましたが、人の肩越しではゆっくり鑑賞も出来ません。最初は、双眼鏡で絵の詳細を1枚1枚丁寧に眺めていた家内もやがて諦めたようで、好きな絵の前でだけ立ち止まって遠まきに眺めていました。

実は、混雑していても楽しめるとっておきのモネ鑑賞法があります。手持ちのパンフレットを筒状にして望遠鏡のように片目で眺める--たったそれだけです。こうすると、不思議な事に絵にがぜん立体感が増してくるのです。積み藁が浮き上がり、水面は輝きを増し、岸辺に繋がれたボートはその輪郭がはっきりと浮かび上がります。周囲からの光が遮断され、画面の凹凸に反射した光が直接目に飛び込んで来るからです。

この鑑賞法は、NY留学中に故Zoltan Ovary教授からおしえて頂いた裏技です。「不思議だわ。なんでこんなに浮かびあがってくるの?」家内が驚きを隠せず言いました。「カンバスの光が直接目に飛び込むと、モネの眼がそのまま再現されるってわけさ。いろんな画家でやってみたけど、やっぱりモネが一番だね。」「印象派の絵で、こんなに輪郭がはっきりするなんてすごい。晩年のモネは白内障だったはずだけど。」眼科医の家内は、白内障の患者さんがあんなすごい睡蓮の連作を手掛けた事に改めて驚いたようです。「同時代の巨匠セザンヌも、モネの目を絶賛している。晩年はそれこそ心眼で書いていたのかもしれないね。」時間があれば、平日の空いている時間にもう一度 ゆっくり鑑賞したいものです。

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