院長コラム
鯉(恋)は盲目
2025年04月25日
祖父の医院があった猪名川ぞいの街道筋は、元々水質のいい場所だったそうです。向かいの池田市などには老舗の豆腐屋さんもあり、私が小さい頃は、少し上流で友禅流しが行われていました。25年ほど前に、医院を取り壊して、住居をたてましたが、手術場のそばにあった古井戸は、そのまま残しました。井戸水の水質を見るために、中庭に小さなプラスチックの池を置いて、ずっと数匹の和金を飼っています。長いものは、10年以上も生きていて、尾鰭まで含めると全長15cm以上はあります。毎朝、金魚に餌をやってくれていた長男が、研修医になって家を出たため、金魚の世話は私の日課になりました。冬の間は、水草の陰でじっとしていた金魚たちも、春の訪れとともに 活発に動き出し、餌の喰いつきもよくなってきました。五月の連休前のこの時期には、なぜか決まって追いかけっこのような集団行動を始めます。他の季節には見られない独特の動きです。
金魚の追いかけっこと時を同じくして、猪名川に棲んでいる魚たちにも異変が起こります。普段は深みにいる体調50cmを超える大きな鯉たちが、浅瀬に群れて跳ね回っています。川面から大きな鯉が飛沫をあげて跳ね上がる様子は、ちょっと迫力があります。普段は見かけない大きな鮒の姿を見ることもあります。コイやフナは春になると浅瀬の葦(ヨシ)や水草に卵を産み付けます。浅瀬に身を乗り上げながら群れで入り込み水柱をあげながら産卵する姿を釣り人は『ハタキ』と呼ぶそうです。つながりのない庭の池と川の魚が、時を同じくして、同じような群れの行動をするのが不思議です。和金ももとを正せば、川魚の鮒です。気温の変化なのか、はたまた水中のフェロモンなのか、魚たちの恋の鞘当ては、まさに もの狂おし(徒然草)という表現がぴったり当てはまる、春の風物詩です。
〒666-0014 兵庫県川西市小戸1丁目7-13
- 阪急「川西能勢口」駅
東改札を出て11番出口方向 徒歩1分
休診… 火曜午後、木曜午後、土曜午後、日曜、祝日
受付終了時間は診療終了時刻の15分前となります。
診療は予約優先で行いますので、
できるだけ前日までにご予約ください。
CLINIC INFO
診療時間
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