院長コラム

多田富雄先生の思い出 (後半)

2025年12月09日

「私はこの本で、生命の持つあいまいさや多重性、しかしそれ故に成り立つ「超(スーパー)システム」の可能性について考えた。そこには「不気味さ」と「美しさ」が紙一重で同居している」(生命の意味論 まえがき)
 当時の多田先生は「免疫の意味論」(青土社)で大佛次郎賞を受賞され。私が帰国した年には、研究の集大成ともいうべき「生命の意味論」(講談社)を上梓されました。多田先生との小さな出会いが、今でも時々 頭に浮かびます。誰にでも笑顔で話しかけ、いつもおしゃれでカッコよくてーー、そう、独自の美意識を持っておられました。先生の名著「イタリアの旅から〜科学者による美術紀行」(誠信書房)は、文系学者も顔負けの美術論や歴史論が満載で、私のバイブルでした。留学中にローマで開催された国際生殖免疫学会に大西洋を超えて参加したのも、本の中の多田先生と同じようにローマ帝国の遺跡を巡ってみたかったからでした。ちょうど夏休みをとってローマに滞在されていた多田先生の師、Zoltan Ovary教授にフォロ・ロマーノを案内していただいたのも忘れ難い思い出です。
 2001年の春、志半ばで脳梗塞の病魔に襲われた多田先生は、不自由な体で多くの著作を残され、学術研究における文理融合の重要性を唱えられました。少年時代に修養された幽玄な能の世界に回帰されたのもその表れでした。また『苦海浄土―わが水俣病』の著者である石牟礼 道子氏との往復書簡は、『言魂』(藤原書店)としてまとめられ、リハビリ医療の重要性を国に訴えられました。2007年には親しい多くの知識人とともに「自然科学とリベラル・アーツを統合する会」を設立し、自ら代表を務め最後まで研究者と教育者の本分を貫かれました。先生の生き方は、免疫研究から女性医学にシフトした自身の生き様を照らす良き道標となっています。(合掌)

 

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