院長コラム

令和のお正月

2022年01月01日

 昔から日本人はお正月は「歳神様」(としがみさま)をお迎えする大切な日と考えてきました。子供たちが楽しみにしている「お年玉」の「年」は「歳神様」、「玉」は「たましい、霊力」を示すといわれ、これをいただくことにより更に一年生きる力をいただけるというわけです。ですから、旧暦の時代に使われていた数え年は、誕生日に関係なく1月1日に一つ歳を取ることになるのです。
 暦には大きく分けて、太陽の運行に沿って日数を数える「太陽暦」、月の満ち欠けのみで日数を数える「太陰暦」、月の満ち欠けに沿った日付と太陽の運行を組み合わせた「太陰太陽暦」とがあります。新暦は「太陽暦」、旧暦は「太陰太陽暦」です。日本では新暦で正月を祝いますが、アジア諸国では旧暦の正月を重視して祝っているようです。
 明治時代に新暦(太陽暦)を採用してからは、誕生時を0歳として誕生日ごとに歳を重ねていく満年齢に移行しました。昨年12月23日、上皇陛下が満88歳の米寿を迎えられ久しぶりに元気なお姿を拝見できましたが、これは当然、満年齢にあたるわけです。(平成時代には天皇誕生日で休日でしたよね)ただ、このお祝いのニュースには、少し気になる点がありました。
 年齢のはっきりわかる推古天皇以来、上皇陛下が最長寿になられた――というくだりです。日本史上最初の女性天皇である推古天皇は聖徳太子の叔母であり、飛鳥時代の方です。推古天皇ご自身、女性天皇の中では最長寿(古事記では75歳まで生きられた)ですが、それ以前の天皇の没年はどうだったのでしょうか。古事記と日本書紀には若干差があるので、天皇家の史書と言われる古事記を見てみましょう。初代の神武天皇は137歳、6代孝安天皇は123歳、7代孝霊天皇は106歳、10代崇神天皇は168歳、11代垂仁天皇は153歳、12代景行天皇は137歳、15代応神天皇は130歳と、100歳超の天皇が目白押しです。現在では、これは天皇家の歴史を長く見せようとする奈良時代の編集者のフィクションだと、古事記自身の信憑性に疑問が呈されています。
 ですから学校の歴史教科書で、古事記が取り上げられることは ほとんどありません。しかし、この古代史の一級資料である古事記を返りみず、外国の史書に日本の正史を託してしまう歴史学会の態度は、とても残念だと感じています。古事記には日本書紀と違って天皇家やその親族を貶めるような記述が多いことも事実ですし、性風俗にもとてもおおらかです。(この点が正史と言われながらも、色々な本をつぎはぎにした日本書紀との違いです。)
 では果たして、素朴で素晴らしい私たちのご先祖の物語は、すべてがフィクションなのでしょうか? 紙片がつきました。このからくりは、お正月明けに書くとしましょう。本年も良い歳でありますように。

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