2022年03月11日

ロシアによるウクライナ侵寇は、全世界に衝撃をもって伝えられました。ウクライナというと、我々より上の世代は、「ひまわり」という美しい映画を思い出します。ヘンリー・マンシーニの叙情豊かなメロディーとともに浮かんでくるのは、東部戦線に出征して行方不明になった夫（マルチェロ・マストロヤンニ）を探して、地平までつづく一面のひまわり畑を彷徨う妻（ソフィア・ローレン）の悲しい面影です。このひまわり畑のロケ地は、いま戦闘の行われているウクライナのヘルソンです。（旧ソ連は、そのロケ地さえ　モスクワ郊外と偽っていたそうです。）

いまネット上で、ウクライナの名もなき老婦人の勇気ある行動が話題になっています。ロシア占領下の町で、歩哨のロシア兵士に歩み寄った彼女は「あんたたち何しに来たの？」と言い寄ります。「事態をこれ以上悪くさせないでください。」と戸惑う若い兵士に彼女は言い放ちます。「あなた方がここで死んだらここにひまわりが芽を出すことになるわ!」ひまわりはウクライナの国花。限りなく広がるひまわり畑の下には、悲しい歴史の年縞のように戦争で犠牲になった兵士が無数に埋もれているのです。戦争で犠牲になるのは、いつも何も知らされていない一般の国民です。砲撃で負傷した妊婦さんや赤ちゃんをみると、平和のありがたさをつくづく感じます。

５０周年でリストアーされたひまわり（http://himawari-2020.comより）

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